歯科医師が、患者さん・歯学生・若手歯科医師に向けて、歯とお口の知識を整理して発信するノートです

歯科医師と歯科衛生士の違いとは?それぞれの役割をわかりやすく解説

歯科医院を受診すると、診察や治療をする人、歯のクリーニングをする人、受付をする人など、さまざまなスタッフが働いています。

「歯を掃除してくれた人は歯医者さん?」

「先生ではないけれど、歯石を取ってもらった」

このように、歯科医院で働く職種の違いが分かりにくいと感じる方もいるかもしれません。

歯科医院では、それぞれの職種が専門性を生かしながら役割を分担し、患者さんのお口の健康を支えています。

この記事では、歯科医師と歯科衛生士の違いを中心に、歯科医院で働く主な職種について説明します。

1.歯科医師とは?

歯科医師は、歯やお口の病気を診断し、治療を行う国家資格を持つ医療従事者です。

大学の歯学部や歯科大学で6年間学び、歯科医師国家試験に合格することで、歯科医師免許を取得できます。その後、臨床研修などを通して、診療に必要な知識や技術を身につけていきます。

歯科医師は、患者さんの症状や検査結果をもとに診断を行い、一人ひとりに合った治療方針を考えます。

主な仕事には、次のようなものがあります。

  • むし歯や歯周病の診断と治療
  • 麻酔を行う処置
  • 歯を削る治療
  • 詰め物や被せ物の治療
  • 歯の神経の治療
  • 抜歯などの外科処置
  • 入れ歯やブリッジ、インプラントの治療
  • 薬の処方
  • レントゲンなどの検査結果の診断
  • 治療計画の作成
  • クリーニング

治療方法を決定したり、診断を行ったりすることは、歯科医師の重要な役割です。

2.歯科衛生士とは?

歯科衛生士は、お口の健康を守るために予防や保健指導を行う国家資格を持つ医療従事者です。

歯科衛生士養成校を卒業し、歯科衛生士国家試験に合格した人が資格を取得できます。

歯科衛生士は、歯科医師と連携しながら、むし歯や歯周病を予防し、患者さんが健康なお口を維持できるようサポートします。

主な仕事には、次のようなものがあります。

  • 歯石や歯垢の除去
  • 歯のクリーニング
  • フッ素塗布
  • 歯みがき方法の指導
  • デンタルフロスや歯間ブラシの使い方の説明
  • 歯周病の検査
  • 口の中の状態の記録
  • 診療の補助

毎日の歯みがきだけでは落としきれない汚れを取り除いたり、お口の状態に合わせたセルフケアの方法を一緒に考えたりすることも、歯科衛生士の大切な役割です。

3.歯科医師と歯科衛生士の違い

歯科医師と歯科衛生士は、どちらも国家資格を持つ医療従事者ですが、役割が異なります。

歯科医師

歯科医師は、お口の病気を診断し、治療方法を決定して治療を行います。

歯を削る、麻酔をする、抜歯をする、薬を処方するなど、歯科治療に関わるすべての医療行為を担当できるのが歯科医師です。

歯科衛生士

歯科衛生士は、歯科医師と連携しながら、予防処置や歯科保健指導、診療補助を行います。

歯石除去や歯みがき指導などを通して、むし歯や歯周病になりにくいお口づくりを支える専門職です。

簡単にまとめると、

  • 歯科医師:診断・治療を担当する専門家
  • 歯科衛生士:予防とお口の健康管理を担当する専門家

という違いがあります。

4.歯のクリーニングは誰がするの?

「歯のクリーニングは先生がするの?」と質問されることがあります。

一般的には、歯石の除去や歯のクリーニング、歯みがき指導などは、歯科衛生士が担当することが多くあります。歯科医師がクリーニングを行うこともあります。

一方で、むし歯を削る、歯の神経の治療をする、抜歯をするなどの治療は、歯科医師が行います。

ただし、歯科医院によって診療体制は異なるため、担当する内容が一部異なる場合があります。

5..歯科助手とは?

歯科助手は、診療を円滑に進めるために歯科医師や歯科衛生士をサポートするスタッフです。

診療器具の準備や片付け、診療の補助、受付業務などを担当します。

歯科助手は国家資格を必要としない職種です。

そのため、歯を削る、歯石を除去するなど、患者さんのお口の中で行う医療行為は担当できません。

6.歯科技工士とは?

歯科技工士は、入れ歯や詰め物、被せ物などを製作・修理する国家資格を持つ専門職です。

歯科医師が採った歯型や設計をもとに、一人ひとりに合った人工の歯を製作します。

歯科技工士は、患者さんと直接会う機会は少ないものの、精密な補綴装置を作るために欠かせない存在です。

7.歯科医院はチームで診療している

歯科医院では、一人の患者さんに対して、さまざまな職種が協力しながら診療を行っています。

例えば、むし歯の治療では、

まず歯科医師が診察を行い、必要な検査をもとに診断します。

その後、歯科衛生士が歯ぐきの状態を確認したり、歯石を除去したり、歯みがき方法を説明したりします。

被せ物が必要な場合には、歯科技工士が歯科医師の指示をもとに製作します。

さらに、歯科助手や受付スタッフが診療を円滑に進められるよう支えています。

このように、それぞれの専門職が役割を分担することで、安全で質の高い歯科医療が提供されています。

よくある質問

歯科衛生士は先生ではないの?

歯科衛生士は歯科医師ではありませんが、国家資格を持つ医療従事者です。

歯石除去や歯みがき指導など、お口の健康を維持するための専門知識と技術を持っています。

歯科衛生士が歯石を取るのは大丈夫?

はい。歯石除去や歯のクリーニングは、歯科衛生士の重要な業務の一つです。

患者さんのお口の状態に応じて、歯科医師と連携しながら処置を行います。

まとめ

歯科医師と歯科衛生士は、どちらも国家資格を持つ医療従事者ですが、役割が異なります。

歯科医師は診断や治療を担当し、歯科衛生士は予防処置や歯みがき指導などを通して、お口の健康を維持するサポートを行います。

また、歯科医院では歯科助手や歯科技工士なども含め、それぞれの専門職が協力しながら診療を行っています。

歯科医院は、一人の先生だけで治療をしているのではなく、多くのスタッフがチームとなって患者さんのお口の健康を支えている医療機関です。